よく、「相手の立場になってみて」みたいなことあるけど、厳密に言えばそれは難しいことだと思う。
そもそもの生い立ちや経験が違うだけで、感覚から視覚まで全部違うわけだから。
1ミリも違わない足跡にピッタリと立ったとしても、見える景色や聞こえる音も完全に一致することはないに等しい。
こないだウチに来たお客さんが席に着くなりスマホを見て、お冷やを出す前に立ち上がってスタスタと帰ってしまった。終始無言で。
まぁこんな仕事やってるとよくある事なので、「待ち合わせのために喫茶店に入ったけど、すぐに連絡が来ちゃった。すぐ行きます!」みたいなとこだろう。
でももし僕が同じ状況に置かれたら、店員さんに事情を説明して、例え社交辞令だとしても「また来ます〜」くらいは言うと思う。
ラーメン屋でも、1人で行くとラーメンが出てきたらスマホを閉じてすぐに黙々と食べ始める。
これも、自分が食べ物を作る側の人間だし、せっせと作って出したのに延々とスマホを見て手をつけない(なかなか食べてくれない)状況があるからだ。
同じ職業や状況を経験していたとしても、感じ方は人様々。
反対側の立場に立ったとしても、同じ気持ちになるかどうかはわからない。
でも、自分勝手に自分の立場から、「相手の気持ちを想像する」ということはできると思う。
それが正解かどうかは別として、「こういう風にすると、こう思うんじゃないかな」とか「こうする事でこんな気持ちになるのかな」というように、いろんな角度から「想像」を膨らませること。
たくさんの仕事を経験したり、いろいろな場所からの景色を見ることで、見識や視野は確かに広がると思う。
でもそこに「感受性」や「想像力」が絡まないと、優しさには辿り着かない。
小学生の時の国語の授業で「あの時の僕はどういう心境だったのか、30文字でまとめよう」みたいなのあったけど、あれすごく大事だったんですねぇ。