「兄ちゃん、何やってるん?」
「ん-、パン切ってる。」
「そうか、忙しいの、最近?」
「まぁ、前に比べたらましですよ~」
「そうかー。」
「うんー。」
カウンター越しに唐突に喋りかけてくるお客さん。
何回注意しても豪快にくしゃみするおじさん。
朝っぱらから口喧嘩するおじさんとおばさん。
いつも何言ってるかよく理解できないんだけど、適当に頷いて愛想するおじさん。
喜八洲のみたらしをいつも持ってきてくれるおばちゃん。
飲食店の常識が変わるとか、時代の変革期とか、外食から内食へとか。
まぁ確かにそうかもしれないけれど、僕はやっぱり喫茶店が好きだ。
経営者として、事業として、家業や生業として、もちろんそれもあるけれど。
なんか、「舞台」という言葉のほうがしっくりくる。
僕は「喫茶店」という舞台の上で暮らしていて、そこがずいぶん気に入っている。
最近はね、なんだかそう思うんですよ。