無用の用


 

日々、本を読んだりネットのコラムや記事を追うことが多いんだけど、最近立て続けに「無用の用」っていう言葉に出会った。

 

なんとなく意味や使い方は知っていたけど、普段の会話の中で使うこともなかったからふわっとしてたんですよね。

 

 

 

『無用の用』

世間の役に立たないとされているものが、別の意味で非常に大切な役割を果たすこと。 役に立たないことがかえって有用であること。

 

 

 

 

僕はよく会話の中で、「あの時の石がこんなとこで役に立つとは!みたいなことってあるよね」って言ってたんだけど、まさにこのこと。

 

 

僕がイベント企画できるのはライブハウス「江坂ブーミンホール」のおかげだし、文章を山ほど書けるのは「upper-grass.cafe」のおかげ。

喫茶業をなんなくこなせるのは「喫茶ライカ」のおかげだし、オムレツやデミソースを炊けるのは「レストラン収穫祭」のおかげ。

 

 

細かいことを言い出すときりないけど、器用貧乏の裏側には「無用の用」が散りばめられているんです。

 

 

 

 

でも大事なのは、「拾った石を手のひらで転がせるくらいまで手懐けているか」のような気がする。

 

ひとつのひとつの仕事や役割や場面で、「やり込む」とか「身につける」くらいまで取り組んだかどうかにかかっている。

 

斜め向いて適当にやり過ごしたことは無用の用にはならず、過去の出来事としてだけ自分に残る。(もしくは自分でも忘れてしまっている)

 

 

 

 

 

せっかく生きるんだし、未来の自分にプレゼントするくらいの気持ちで目の前の石を拾いたい。

 

 

拾って、転がして、手懐ける。

 

 

 

 

それがきっと、年の功になるのだと思う。