絶景


 

僕はものすごく目が悪いので、メガネがないと生活できないんですよね。

できなくはないと思うけれど、僕自身もかなり不安だしいつものようにはいかない。

 

 

仕事なんて特に顔も見えなければ伝票も見えないし、そりゃもう大変だと思う。

たまたまこの世に「メガネ」という大発明があったから、僕はこうやって文章を書いたり、人並みに仕事ができたりしているわけです。

 

 

じゃあメガネがなかったら何の役にも立たないのかといえばそんなことはなくって、それなりに工夫したり助けてもらったりしてうまくやっていくと思う。

 

というか、そういう世の中であってほしい。

 

 

 

 

仮に、メガネを掛けない僕のほうがメガネを掛けた僕よりも収入が低いとしても、それは単なる経済指標であって個人の価値が低いというわけではないのです。

 

 

価値は誰が決めるんだという話。

 

 

 

 

たとえばこの先に絶景があったとして、メガネを掛けていない僕が「見てみたいからちょっと行ってこよう。」と言ったとします。

 

 

 

ある人は「景色が見えないのに行ったってしょうがないよ」と言うかもしれない。

 

 

「いや、景色が見たいんじゃなくって、絶景に行ってみたいんです。」と僕は言う。

 

 

 

 

 

絶景の価値は絶景が決める。

 

 

見えるとか見えないとかあなた方は言うけれど、それはこちらが決めることであなた方には関係のない話ですよ。

 

 

 

 

 

絶景はきっとそう言うだろう。