選ぶ


 

普段は極力「選ばない」暮らしをしているので、「選ぶ」ことになるととても疲れる。

 

 

 

着るものも一緒だし、持ちものも決まっている。

食べるものもだいたい似たようなもんだし、ほとんどを同じ場所で過ごしている。

 

稀な買い物をしたり仕事に必要な場合は当然あれこれと選ぶ悩むんだけれど、それ以外はなるべくシンプルでいたい。

 

 

 

とはいえ、「選べる」というのはとてもありがたいことで、「選ぶことができない」とやっぱりそれはそれで物足りないんだろう。

 

 

 

「選ばない」というのは無頓着でなんでも良いわけではなく、「選ばないを選ぶために、選び抜く」作業が必要になってくる。

 

 

わかりやすく言うと、「惑わされない」が近いかもしれない。

 

 

 

たまに街へ出ると、人・物・情報が押し寄せてきて何か大きな波に巻き込まれたような気分になる。

 

自分の軸というか、「自分」そのものが「みんな」に押されてしまうような。

 

もちろん、その波を楽しめる人もいるんだろう。

 

 

そもそも商業広告というのはそういうものだし、少なからず恩恵を受けているので言える筋合いもないんだけど、その揺さぶりに僕はいつも疲れてしまう。

 

 

 

 

そんなに大げさな話じゃない。

 

 

 

僕はただ、心地良くいたいだけ。

 

 

自分のサイズに合ったシャツを着たいだけなんです。