器用貧乏のすゝめ


 

さて、時代は器用貧乏です。

実はいま、器用貧乏が求められています。

 

 

また何を言うとるんやと思われがちですけど、順を追って説明します。

何の専門性も知識もない僕が憶測で書いてるのでご参考までに。

あくまで僕の仮説というか妄想というか、こうなんちゃうかなって話なんだけど。

 

 

 

まず僕らは大昔、狩猟採集でもって暮らしていました。

仮に「10人」で暮らしていたとしましょう。

 

 

 

そこに「農業革命」が起こります。

 

毎日獲物を追いかけ歩きまわって探さなくとも、土地を豊かにすればあまり困らずに暮らせることがわかりました。

大勢が農業にシフトしていく中、「狩猟採集が好きすぎる人たち」はそれを続けます。

もちろん、肉と野菜を交換したりもしました。

 

その「狩猟採集好きすぎる人たち」が2人としましょう。

残りの8人は農業にシフトしました。

 

 

 

そこに「産業革命」が起こります。

 

今まで8人でやっていた農業が機械の導入によって2人でできるようになりました。

色々と競争が起こりましたが「農業好きすぎる2人」が群を抜いているので、残りの6人は様々な機械を作ったり、機械を使って物を生産する暮らしを始めることにしました。

もちろん、肉や野菜と機械を交換したりもしました。

 

 

 

そこに「IT革命」が起こります。

 

インターネットの登場により様々な技術が共有され、世界中が常時接続されている状態になりました。

当然、生産も物流も情報も変わっていくので、6人でやっていた仕事が「インターネット大好き2人」が作ったシステムに乗って動いていくことになります。

4人はITによる様々なシステムや機械を使いながら働き、暮らしていくことにしました。

 

 

 

そこに「働き方改革(革命)」が起こります。

 

人工知能(AI)や技術革新、価値基準の多様性や、成長社会から成熟社会への以降などが重なり、「生産性大好き2人」がいきいきと働く一方で「なんだかよくわかんねぇな。」という2人はとうとう暇になってしまいました。

 

 

・狩猟採集大好き2人

・農業大好き2人

・インターネット大好き2人

・生産性大好き2人

・暇な2人

 

暇な2人はいきいきと働く8人を見ながら困ってしまいました。

 

 

 

肉や魚、野菜や米を4人で集め、2人が作った最新機器を使って、2人がサクッと調理します。

おいしいご飯を目の前にして、暇な2人は考えました。

 

「どうやったら自分たちはこのおいしいご飯と交換できるのだろうか?」と。

 

 

幸いにも暇なので、1週間くらい2人で話し合ったり、ヒントを探しに歩いたりもしました。

どう見ても2人は暇そうなので、周りから頻繁に声がかかります。

 

 

「おーい、手伝っておくれ〜」

「これを持って、隣町まで届けてほしい」

「子供の面倒を少しのあいだ見てもらってもいいかな?」

 

 

なんせ2人は暇なので、お安い御用だと言って快く引き受けます。

色々な頼み事を引き受け続けるうちに、狩猟や農業や機械にも詳しくなり重宝されるようになってきました。

 

 

隣町まで小包を届けながら考えます。

「どうやったらおいしいご飯と交換できるんだろう?」と。

 

子供の面倒を見ながら考えます。

「どうやったらおいしいご飯と交換できるんだろう?」と。

 

 

 

小包を届け終え、子供たちが寝付くとみんなが寄ってきてこう言いました。

 

 

「忙しくて手が回らなかったから本当に助かったよ。」

「おいしいご飯ができてるから食べていってよ!」

「本当にありがとう。」

 

 

 

2人は「どういたしまして。」と、にっこり笑って言いました。

 

10人は食卓を囲み、おいしいご飯を食べました。