僕は今、地元の商店会の会長をしているんだけれど、就任する時にこう言いました。
「僕が会長になることで、みなさんのお店の売上が上がったり集客できたりということはありません。もしそんなことが出来たら経営コンサルタントとして独立しています。ただそういった資産ではなく、同じ地域で軒を連ねて商売し日々顔を合わせる中で、助け合ったり声を掛け合ったり一緒に歳を重ねていくような関係性もまた”資産”と言えるのではないかと僕は思っていて。それがお金に変わることもあるだろうし、別の形で還元されることもあると思うんです。」
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これは僕が始めよう、舵を切ろうと思ったわけではなくって、「服部元町商店会」という組織自体がそもそもそんな感じでした。
若い頃は会長や役員さん(おじさんたち)がモチャモチャやってたり寄り合ってるのを見て「何やってんだか、、、」なんて思っていたんだけど、町のウワサにどよめき合っていたり立ち話に勤しんでいたりするのも一種の「資産形成」なんだなぁと。笑
ウチの商店街はわりと古いので、同世代(70才前後)の人が多いんですね。
若い頃から一緒に商売をしてきて今に至るみたいな感じで仲が良いんです。
僕も15年くらい前からそんな中に混ぜてもらったので、おじさんたちにも気を使わず楽しくさせてもらってます。
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高齢の方が多いのでやっぱり亡くなることもあるんですよね。
先日も斜め向かいの居酒屋のママさんが亡くなって。
すぐさま僕のところに連絡が来て、それを回覧板ですかさず回し、口伝えでも広がっていって、お花も手配。
翌日の葬儀には商店会の人もたくさん参列されていました。
こういうことが「すっ」とできるのは日々のお付き合いのなせる技だし、これを資産と呼ばずしてなんと言おうかと。
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亡くなったママさんは昔から僕の話をよく聞いてくれて、イベントの企画書もよく見ないうちから「兄ちゃんの言うことには私大賛成やから〜」って応援してくれていました。
商店会や組合にも「コスパ」を求められがちな時代だけれど、「資産」は個人で形成できるものとできないものがあります。
一緒に歳を取り、日々育むような時間はけっして目立つようなものじゃないけれど、お金では買うことが出来ない立派な「資産」だと思うんです。
商店会、いいですよね。(^^)